地球には46億年の歴史があります。誕生したばかりの地球は温度が1,000℃以上のマグマに覆われ、生命はとても存在できないような環境でした。しかし、その数億年後に海ができ、さらにその数億年後に生命が誕生したと言われています。最初の生命は単細胞のアメーバでしたが、やがて植物や魚類、両生類が生まれていきました。
無数の偶然が重なり、多彩な種が共存できる環境を備えた地球ができあがりました。しゃく熱の金星、薄い大気の赤茶けた火星とは違い、窒素78%、酸素21%の大気をまとい、表面に豊かな水をたたえている地球。まさに「奇跡の星」です。
日本人初の女性宇宙飛行士、向井千秋さんは1994年、米国のスペースシャトル・コロンビアから「暗黒の宇宙の中に、薄いベールをかぶった地球が回っている姿が、本当に美しい」と伝えてきました。
■人類の罪
地球の長い歴史からみると、人類の軌跡はせいぜい400万年という短さです。その人類の活動が今、かけがえのない環境にさまざまな影響を与え、このままでよいわけがない、ところまできています。
石油や石炭を大量に燃やすことで二酸化炭素が増大し、気候が大きく変動しました。森林の減少、砂漠の拡大、海洋汚染、地下水汚染など、地球の将来は極めて暗いものになってきています。
■解決のカギは『共生』にある
世界的な脳教育者、一指 李承憲(イルチ イ・スンホン)氏は新刊本『共生の技術』において、「私たちが直面している地球規模の問題を解決するカギは『共生』にある」と訴えています。
同著によれば、共生というのは、「すべての生命は互いにつながっているため、お互いを大切にしなければ結局は自分自身も生き残れない」という理解から出発します。
■教え子スティーブ・キム氏との共著
『共生の技術』は、40年にわたって世界を回りながら悟りの実践を通じて地球を健康で平和にすることに献身してきた李承憲氏が、長い間地球市民ムーブメントを共にしてきた教え子である作家スティーブ・キム氏と共同で執筆しました。
本著では、李承憲氏の数多くの挑戦と成否の経験をもとに、人類と地球の未来を希望に導く新しいパラダイムと実践的談論が提案されています。
今私たちが感じている地球的危機の根源が何なのか、どうすれば人類が互いに、他の生命体に、自然環境に脅威ではなく力になれるのかについて、省察するためのたたき台となります。共に豊かに生きる共生社会の実現のために私たちが持つべき内面的資質や選択すべき生き方が何なのかが、示されています。
■市民ができること
地球がはぐくみ、育ててきた生命のすばらしさを第一に考える新しい価値観が必要になっています。私たち市民がやるべきこと、できることはいくらでもあります。『共生の技術』を読むことで、青い惑星に生まれた喜びと幸せを、赤ちゃんたちにも確かなものとするための生き方と技術を学ぶことができるでしょう。