中米エルサルバドルの公立学校での脳教育導入の成果を国連で発表

国際脳教育協会(IBREA)は、ニューヨークの国連本部で、
中米エルサルバドルの公立学校における脳教育の成果を発表しました。
発表によると、テスト・プロジェクトとして脳教育を導入した3つの学校で
学習能力の向上や対人関係の改善といった成果が顕著に見られました。
エルサルバドル政府は、プロジェクトの成功を受けて、
さらに8つの公立学校で脳教育の導入を計画しています。

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■ 対人関係や自己管理能力がアップ
脳教育のテスト・プロジェクトは、2011年6月から8月までの3か月間、
エルサルバドルのサンサルバドル地域の3つの公立学校で行われました。
脳教育を指導した国際脳教育協会の報告書によると、プロジェクトに参加した生徒39人は、
学習能力を示す数値が5.0から5.14にアップしました。
自分の感情や生活態度をコントロールする「自己管理能力」も、
脳教育を受ける前の4.53から4.84に大幅上昇。
「対人関係」は3.26から3.44に改善しました。

■ ストレスが減る
エルサルバドルでは、極度に治安が悪い状態が続いており、
子供たちが抱く慢性的な心の不安やストレスが問題になっています。
報告書によると、脳教育を受けた生徒のストレスの値は、3.17から2.91に急落。
また、生徒だけでなく、脳教育を受けた24人の教師も脳教育を通じて
ストレスの減少を実感できたといいます。

■ 国連でのセミナーがきっかけ
エルサルバドルで脳教育が導入されたきっかけは、
2011年1月に国連本部で開かれた「脳教育セミナー」(国際脳教育協会主催)です。
同セミナーに出席したエルサルバドルの国連大使が、脳教育の実績や平和的な考えに感銘を受け、
本国に脳教育の導入を提案しました。
エルサルバドルでは、10年以上続いた内戦と、その後も続く劣悪な治安によって、
子供たちの多くが心に傷を負っており、その改善策の一つとして、
脳教育の試験的な導入が決まりました。

■ 呼吸法や瞑想を指導
テスト・プロジェクトでは、国際脳教育協会のアメリカ支部から
派遣されたトレーナー4人が脳教育を指導しました。
毎週月曜日から木曜日まで毎日70分間、呼吸法や瞑想、
脳トレーニングを通じたストレス解消や感情の浄化などに取り組みました。
エルサルバドルでは、脳教育のテスト・プロジェクトに大きな関心が寄せられ、
副大統領が自ら、脳教育の現場を訪問したほどです。

■ 様々な変化
本プロジェクトによって、精神面に著しい変化が見られた生徒もいます。
ある16歳の女生徒は、義理の父の暴行で15歳の時に子供を出産するなど、
長年続いた虐待によって心に深い傷を負っていました。
この女生徒は、「脳教育を受ける前は、一日がとても退屈で、何事にも無気力でした。
それが、脳教育を始めてから変わりました。笑う機会が増えて、自分自身が本当に好きになりました。
高校を退学するつもりでしたが、もっと熱心に勉強して、大学にも行って、
いい職業に就きたいと思うようになりました」と話しています。

■ 脳教育の拡大を計画
エルサルバドル政府は、今回テスト・プロジェクトの対象になった3つの公立学校に加えて、
他の8校でも脳教育を導入する計画で、副大統領が中心になって具体的な準備を進めています。
エルサルバドルのカルロス・ガルシア大使は「3カ月間の脳教育の成果に非常に満足している。
この経験を他の国とも共有したい」と話しています。

■ エルサルバドルについて
エルサルバドルは、中央アメリカに位置する国で、人口は約620万人。
1982年から10年にわたって続いた内戦で政治や経済が混乱。内戦終結後も、治安の悪化が続いています。
真昼でも流血事件が頻発し、太陽が沈むと通りから人の姿が消えるほど、治安は悪いです。

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