人生を変える1分健康学

今日も明け方3時に目覚めました。横たわったまま体を動かし始めます。伸びをし、手の先から足の先までのすべての筋肉と神経を、繰り返し緊張させては緩めて体を目覚めさせます。ヒーリングライフでへそヒーリングをして腸の血液をポンピングし、でんぐり返りで背中を十分にほぐしてから座ります。

両手をこすり、温かくなった手を目の上にかざし、目の運動をします。もう一度、手をこすって顔をなで、耳をひっぱり、頭と首をなでます。胸から丹田まで手でなでおろします。そして、朝の瞑想を始めます。瞑想に入るまでの時間は5分もかかりません。1つの動作に1分もあれば十分です。

人々が最も私に聞きたがるのが健康秘訣です。健康維持の秘訣をアドバイスしてほしいと言います。私の哲学やこれまでやってきたことを理解できない人でも、私の健康秘訣には関心を示します。本当に有難いことです。そのお陰で私は人々に近づきやすく、世界中を回りながら、国や宗教、人種に関係なく、多くの人と出会い、弘益精神と脳教育を伝えられます。

90年代の中頃、アメリカ開拓の初期の頃のことです。ある会員の紹介で有名なハリウッド俳優と会いました。当時、韓国でもとても有名なアクションスターでした。私は、とにかく誰かに会わないと弘益精神と脳教育を伝えられないので、相手を選べる立場ではありませんでした。その俳優に会うために、ビバリーヒルズにある彼の自宅を訪れました。

彼はこれまでに、何人ものアジア出身の太極拳、ヨガ、武術の達人と会っていたので、私にあまり関心がなく、初対面のときはかなり距離がありました。おそらく自分の健康状態を知られたくないという思いもあったのでしょう。私は、顔の色、声、座っている姿勢などだけでも健康状態を推察できるので、私が感じたまま、こんな健康の問題を抱えているのではないかと彼に尋ねました。すると彼は急に態度が変わり、私に近づいてきました。そして、打って変わったように恭しい態度で私の言葉に耳を傾け、私の指導に従ってトレーニングし始めました。世界のすべての人が健康を望むというのは常識であり、真理です。

私が健康なのには特別な理由があると思う人がいます。私は子供の頃から武術の鍛錬をし、仙道修練で小周天の段階を経て、存在の意味と価値に気づく大周天に至ったから健康なのだろうと、思うようです。

もちろん私は、国技院1期生でテコンドー師範の資格を持っており、合気道の鍛錬もし、大学では体育教育学を専攻しました。そして、仙道修練で内気を体得し、21日間、食べない、横たわらない、という苦行を経て存在価値と目的を悟りました。

しかし、過去にそうだったからといって、今日健康に生きられるのではありません。なぜなら、健康は歳を取って年金をもらうようにはいかないからです。健康は、ご飯を食べるのと同じです。1か月前に1日に6回食べたとしても、今日食べなかったらお腹が空くのと同じように、今日健康であるためには、今日運動し、今運動しないといけません。

現代人はとても忙しいです。健康が大事だ、運動しないといけないのは分かっていても、時間がないと言います。1日24時間のうち1時間を運動に当てるのが難しいと言うのです。昔のようにたくさん歩くこともなく、歩いているときもスマホでSNSや動画を見たり、音楽を聞いていて、体に集中する時間がありません。歩いても体を動かしても、健康のためにはなっていないのです。

私が37年間で360を越えるトレーニング法を開発した理由は、世界中に普及するために韓国の伝統をもとにグローバルな普遍性を追求したというのもありますが、過去30年が人類史上で最も速い変化の時代だったからでもあります。時代と文化の急激な変化によって人々の生活環境がすっかり変わりました。だから、人々に昔の方法でトレーニングさせても、できる人がほとんどいません。今の生活の中でできる方法を教えてあげる必要があります。健康になるし自分に役立つと感じたら、自分から時間を作って、より深いトレーニングを求めるようになるのです。

脳教育のトレーニングは誰でも生活の中でできるものでなければならないので、ハードルを低くしました。ハードルの低いトレーニング、今すぐにできるトレーニング、誰でもどこでもできるトレーニングが、私の考える脳教育トレーニングです。しかし、ハードルを低くしても効果はよくないといけません。短時間でトレーニングしても体温が1度上がり、気分がよくなり、硬くなっている体がほぐれ、力が湧いてきて、何かやりたいという意欲が湧いてこないといけません。それでこそ続けたいと思うし、続けてこそ効果が表れるからです。

私が最近開発した新たな脳教育トレーニングは「1分運動」です。1時間ごとに1分間運動します。何をしていても、1分間、手を止めて運動します。頭に血が昇っていると思ったら、その場ウォーキングやスクワットをしてみましょう。体が硬くなっていたら、両手を上げて手のひらを空に向けて軽くひざを曲げる天気功、両手の上に皿があるとイメージしながら回す皿まわし体操がおすすめです。姿勢を改善したい、筋肉をつけたいときは、腕立て伏せや腹筋がいいでしょう。

顔が緊張しているときは、声を出しながら笑う、顔の筋肉を動かす顔面運動、手足のグーパー、下腹を叩く丹田たたき、へそヒーリング。胸が息苦しいときは、胸をたたきながら「あ~」と声を出してみましょう。運転しているときは、腸運動や肛門締め。誰かと一緒にいるときは、向き合って笑いながら手を叩いたり、向い合わせでお互いの肩に手を置いて上体を下げ、ひざを伸ばして脚の後ろ側が伸びるのを感じてみましょう。お互いに肩をもんだり、背中を叩いてあげるのもいいでしょう。どんな動作をしてもかまいません。

1時間に1分くらいは、自分の体とコミュニケーションしましょうということです。これを通天と言います。それで、1時間ごとに1分間、1日に12回を目標に運動すると生活が変わるので、これを通天生活と言います。1時間ごとに1分運動を行うことで体力を管理でき、感情をコントロールできる心力が高まり、自分がやりたいことに集中して創造する脳力が高まります。

1分運動をすると、滞っていたエネルギーが循環し、体温が1度上がり、気分がよくなり、意欲も生じます。自分がこの1時間何をしたのか振り返り、次の1時間は何をするのか考えるようになり、時間管理ができます。エネルギー管理や時間管理ができると、自分の夢とビジョンを叶えられる目標管理ができ始めます。

そして、1日に12回、1時間ごとに1分運動を21日間、100日間行うと習慣が変わり、習慣が変わると性格が変わり、性格が変わると体質が変わり、体質が変わると運命が変化していきます。そのため私は、「1分運動」を「人生を変える1分健康学」と呼んでいます。

今、世界17カ国で脳教育を指導しているトレーナーや講師がこの「1分運動」を生活化し、脳教育トレーニングを受けている会員も行っています。会議をしていても毎時0分にアラームが鳴ると全員立ち上がって1分運動をします。体調がよくなるだけでなく、心が通じあいます。彼らが「1日12回、1分運動」をして変化したグッドニュースが私のところにも届いています。健康の回復に始まり、自信を取り戻して夢を叶えた話、家族の変化や周囲の人の変化まで、毎日うれしい知らせがたくさん届きます。

1分でいいのです。1時間に1分だけ自分自身に投資しましょう。1分間、自分の体に集中して内面に新たなエネルギーを吹き込むのです。私はこれが、今の時代を生きていく人類に最も必要な健康と幸せのための技術だと思っています。だから、ヒューマンテクノロジーと名付けました。ヒューマンテクノロジー、略してHTは、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を高める人間性回復の技術です。

第4次産業革命時代と呼ばれる現在、人々は不安の声を上げています。人生の価値と目的を見いだせない状態では、人間が第4次産業革命の技術進歩に従属することになるかもしれないからです。人類はこれまでに、第1次、第2次、第3次産業革命時代を経て、第4次産業革命時代を導く科学技術の進歩を遂げ、物質文明を著しく発達させてきました。しかしその結果、地球環境は汚染され、生態系は破壊され、人類の生存も脅かされています。地球と人類の共存と持続可能な未来について語れない状況で、このまま第4次産業だけが発展すればどうなるでしょうか?

人間が高度の科学技術と物質文明のバランスを取ってコントロールできる人間性を備えなければ、人類に希望はありません。地球環境と生態系を回復し、クオリティ・オブ・ライフを高めるキーポイントは、科学技術ではなく人間性です。人間性を回復し、第4次産業の副作用を減らし、地球と人間のために科学技術の進歩を活用するのが第5次産業です。

私は、人間性を回復して発展させるヒューマンテクノロジーが第5次産業革命時代を率いていくと思っています。脳教育は、ヒューマンテクノロジー(HT)の核心技術です。脳教育トレーニングのひとつである「1分運動」には、「私の体は私が守る! 私の健康は私が守る! 私の家族の健康も私が守る!」というHTの哲学が込められています。

今日も私は1時間ごとに1分間、指立て伏せをします。私の通天生活には目標があります。指立て伏せを何回するのか、逆立ちで何歩歩くのかを決め、1時間ごとに1分間、1日に12回通天しながら、自分の立てた目標に近づいていきます。

これが私の健康の秘訣です。「1時間ごとに1分間、1日に12回通天!」 これは私にしかできない特別なことでしょうか? いいえ、誰でもできます。これからはもう健康の秘訣を探しまわるのではなく、毎日1時間に1分間、自分に投資しましょう。

健康と幸せを願うあなたに尋ねます。「あなたの体は誰が守りますか? あなたの健康は誰が守りますか?」

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