私たちの体をつくる成分にそれぞれ値段をつけても、大して高価にはなりません。
70%の水とタンパク質、そして微量のカルシウム、リン・・・、どれもありきたりの物質です。
だから、値段としては、数千円以下にしかならないかも知れません。
体の成分は、人間として組み立てられたときに、初めて大きな価値を生みます。
人間として構成するには、設計図が必要です。
砂利、砂、セメント、鉄筋、木材、ガラスを混ぜても建物にはならないように、
私たちの体をつくるにも、どんな風に作れという指示内容を含む設計図が欠かせないのです。
設計図の役割を果たすのが、DNAです。
さらに、DNAに記録された遺伝情報の通りに、組み立てなければなりません。
それには、「気」と呼ばれる生命エネルギーが必要です。
気エネルギーは、物質を縛る網としての役割を果たします。
気エネルギーがDNAの情報を載せて体中をめぐり、私たちの身体をつくりあげるのです。
物質・エネルギー・情報、この3つは私たちの体だけでなく、
すべての存在を構成する3つの要素です。
私たちの人生の価値は、この3つが合わさって作り出す現象です。
私は、「肉体」、「エネルギー体」、「情報体」と呼んでいます。
1つ目の体である肉体は、見ることも触ることもできます。
これは五感の領域で体験できる体です。
2つ目の体であるエネルギー体は、見たり触ったりはできませんが、感じることができます。
体と心が十分にリラックスした状態でありながら、意識は明瞭に目覚めている時、
自分の体を取り巻いているエネルギー場を感じられます。
体を内外の境なく流れると同時に体の周りを覆っています。
このエネルギー場は、気を撮影するキルリアン写真で撮影でき、
特殊な感覚がある人は見ることもできます。
3つ目の体である情報体は、五感で感知できない情報の領域です。
私たちは情報の存在を見ることも触ることも感じることもできません。
私たちが時間と空間の中で持っているものは情報を記録する装置や出力された情報であるだけで、
情報自体は時間や空間には縛られません。
絶対自由だの無限な存在だのというものは、このような情報体の次元を言うのです。
この3つが合わさって現れる生命現象のうち、最も高次元の活動が情報の生産です。
情報が生産されると、その情報を現実化する新たな物質現象が起こります。
これは、本を書くことであったり、演奏したり踊ること、家を建てること、
団体や会社、国家のような組織を作ることだったりもします。
あなたが行うすべての考え、行動が情報の生産です。
情報を生産することであなたは自分の人生の条件を作り出しているのです。
情報を生産し、その情報を物質化する、このすべての過程を指して「創造」と言います。
肉体としての生命は、常にそれ自体で存在します。
生命は私たちがそれについてどのような態度を取るのかにかかわらず、肉体は存在し続けます。
しかし、生命のほんとうの価値は、情報によって大きく変わります。
生命とその生命現象としての自分をどう理解するかによって、変化します。
今の時代において、最も有害なのは、汚染された情報です。
そのような情報は、情報体の一部になり、
肉体を通じて表現される具体的な生命現象にもそのまま反映されます。
これは、私たちが生命の問題を肉体だけでなく、エネルギー体や情報体まで
すべてを包括する総合的な概念として対処しなければならないことを意味します。
健康、病気、治癒など、生命と密接に関わるすべてのテーマについてもやはり同じなのです。
現代を生きる私たちは自分の情報体が不完全であることも、閉じ込められていることも知りません。
情報体が不完全なので認識や判断を正しくできず、
情報体が閉じ込められているので思考が自由ではありません。
閉じ込められていながらも閉じ込められていることが分からないので、さらに深刻なのです。
私たちは肉体がすなわち自分自身であり、生命のすべてだと思っています。
生命に対する私たちの理解が肉体を超え、エネルギー体と情報体まで拡大すれば、
多くのことが変わってきます。今よりもっと成熟し、高い水準の死の文化を持つようになり、
心臓と血液ではなく、脳と情報を生命の象徴と思うようになります。
そのときようやく生命を持つ私たちがすべきことが何なのかを分かるようになるのです。