「地球人の日」(6月15日)によせて

20世紀以降、世界の人口は爆発的に増加し、今や70億人を超えたと言われています。
こうしたなか、人類は「人種」「性別」「宗教」「文化」「思想」などの違いにこだわり、
自己の優位性を他者に認めさせるための争いを続けています。
また、これまでの文明の繁栄は、地球環境を破壊することで実現してきました。
近年の爆発的な人口増加によって、地球環境はさらに悪化し、
限られた天然資源を奪い合う精神が一段と世界に蔓延しています。

このままでは、人も地球もやせ細って疲弊し、
そう遠くない未来に滅んでしまうだろうと警鐘を鳴らす学者たちもいます。
地球と人類文明の危機を救うために、私たちは何をしたらいいのでしょうか?

■地球人であるという自覚
地球を追い込んだのが人類なら、解決する主体も人類にあるはずです。
私は、その糸口が「地球人であるという自覚」と「地球人として生きる」ことにあると思います。

地球の問題を自分自身の問題ととらえ、
闇雲に心配するのではなく「私は何をするのか?」と考えることです。

人類は皆、天のエネルギーから呼吸し、地の食べ物を得て、地球とともに生きています。
私たちは、母なる地球の子供であり、地球という大きな食卓を囲む地球人という家族です。
今こそ「天」「地」「人」がすべて一つであるという「天地人精神」に基づき、
人と人が対立するのではなく、同じ「地球人」であるという思いで互いに協力し、
調和を図ることが急務だと考えます。

■地球人の日
6月15日は「地球人の日」です。2001年にソウルで、世界中から集まった地球人とともに
「地球人宣言大会」を開催して以来、毎年この日を記念してきました。

自然の中で地球の心を感じて純粋な本性に気づいた地球人の笑みの中に、
私はこの地球と人類の希望に満ちた未来を見いだします。
地球人一人ひとりの胸に抱いた夢と希望は、砂漠に流れる地下水のごとく、
この地球に生命の水脈を供給することでしょう。

私たちが地球人であることを自覚し、この地球への責任を感じるときにこそ、
現在人類と地球がさらされている環境汚染や戦争や人間性の堕落から抜けだせるでしょう。

人間愛、地球愛の志に同意して参加する地球人が1億人いれば、この地球には希望があります。
地球人としての具体的な実践を生活の中で行っていくことにより、人類はあらゆる違いを超えて、
共感と共存の道を選択することができる――そう私は信じています。

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