外で過ごす時間を瞑想的な時間として活用すれば、意識を広げながら、自分とは何者なのかを思い出すことができます。
気候が暖かくなるにつれて、外に出たいという気持ちが高まってきます。ベランダでのんびり過ごすこともあれば、ハイキング、水泳、ボート、ゴルフなどに冒険を求めることもあるでしょう。外で過ごす時間は、インナーチャイルドと再びつながり、大人としての責任から束の間離れさせてくれます。レクリエーション(再創造)は、文字どおり私たちを再び創り上げ、心身を若返らせ、新たな自分へと導いてくれるのです。
レクリエーションを、成長や目標達成から離れた時間だと捉える人もいます。しかし、外で過ごす時間を瞑想的な時間として、そして自己成長の一環として活用すれば、真の自分を育み、宇宙のエネルギーとつながることができます。次に外へ出るときに実践できる方法を、いくつかご紹介しましょう。
天と地のつながり
古代アジアに伝わる『天符経』のなかに、「天地人」という重要な言葉があります。この言葉は、人間がスピリチュアルな存在であると同時に肉体的存在でもあることを表しています。足は大地につけて地球とつながり、頭は空に向かって伸びて天とつながっている。そんな姿に象徴されているのです。
天と地につながっているという感覚を育てるために、自然のなかでそこに意識を集中させてみましょう。たとえばハイキングをするとき、大地のエネルギーが足の裏から立ちのぼってくるのを感じ、天のエネルギーが頭頂部から入ってくるのを感じてみてください。
特に敏感な手のひらを使ってエネルギーを感じることもできます。歩きながら手のひらを地面に向け、大地から伝わる振動を感じ取ってみましょう。周囲のものに手のひらを向ければ、木々のエネルギーや、せせらぎの音を立てる小川のエネルギーを感じ取れるかもしれません。
時間が取れなかったり、ハイキングが難しかったりする場合は、屋外のどこかに座って試してみることもできます。たとえば公園のベンチなどに腰かけ、靴を脱ぎ、素足を地面につけます。目を閉じて、手のひらを上向きにして太ももの上に置き、背筋をすっと伸ばしてエネルギーが手のひらに触れるのを感じ、頭頂から入ってくるのを感じてみましょう。これを定期的に実践すれば、心身がリラックスし、自然のエネルギーとのつながりを深く感じられるようになります。
感覚を開く
現代社会は感覚的な刺激で溢れています。あまりにも多くの情報が押し寄せるため、その過剰さから自分を守ろうとして感覚を閉ざしてしまいがちです。そうでなければ、テクノロジーに囲まれた環境に圧倒されてしまうからです。しかし自然のなかでは、リラックスして、すべての感覚を再び目覚めさせることができます。
私たちの感覚は、しばしば鋭敏さを失い、繊細な音や手触り、香りを嗅ぎ分ける力を失います。外で遊ぶときには、時間をかけてすべてを味わってみましょう。1日のなかで陽の光がどう変化するか、それが物にどう当たるか、夕暮れにかけて色合いがどう移ろうか、葉のあいだから漏れた光が地面にどう射すか。そうした風景に気づくはずです。
自然のなかを歩いていると、立ちのぼっては消えていくさまざまな香りにも気づきます。たとえば、木立を歩けば松葉のすっきりとした清々しい香りが、足元からは湿った土のほこりっぽい匂いが、ひんやりした岩肌に生える苔からは大地を思わせるほんのり甘い香りが漂ってくるでしょう。
ふと足を止めたときに、周囲のさまざまなテクスチャーに気づくかもしれません。さまざまな種類の石の質感、たとえば、小石のひんやりとした滑らかさ、つるつるしたガラスのような石の表面、岩のざらついた荒々しさ、それらを感じ取ることができます。歩いていれば、足の下の地面の感触が、柔らかな土から砂、でこぼこした砂利道へと、場所ごとに変わっていくのが分かるでしょう。
耳には、周囲を満たすあらゆる音も入ってきます。スズメの鋭いさえずり、コマドリの旋律的な鳴き声、木々のあいだから聞こえるハトの柔らかな声、そよ風が枝を抜けていくときの葉のさやさやとした音。そんな音たちです。
味覚も研ぎ澄ますことができます。海辺では、潮風に乗って運ばれてくる海の塩を味わうことができ、森のなかでは、空中にかすかに漂うハーブのような風味に気づくかもしれません。
何を感じ取るかに、正解も不正解もありません。ただ感覚を開き、そこで何に出会うかを味わえばよいのです。
共にあること
最後に、誰かと一緒に自然のなかへ出かけるときには、その相手と完全に「共にある」ことを学ぶことができます。足元の大地と頭上の空につながっているとき、私たちのなかで何かが開き、隣にいる人へ自然に手を差し伸べるようになります。相手がどんな人かという先入観や、相手にこうあってほしいという期待を、いったん脇に置くことができます。自然は私たちをありのままの自分でいさせてくれます。そのため、互いにリラックスし、ありのままでいられるよう励まし合えるのです。
一緒に自然を体験することで、人生や宇宙についての深い対話が生まれることもあります。けれども、ただ沈黙を分かち合うだけでも、それと同じくらい特別な時間になります。ハイキングの途中や焚き火のそばで、静かに座って、互いの心を感じ合ってみましょう。そうすることで、私たちは頭のなかから抜け出し、体へ、そして最もありのままの自分へと戻っていけるのです。
自然のなかで過ごす時間が長くても短くても、たとえ1日の大半をデスクに向かって過ごしていたとしても、私たちは自然の一部です。ときどき外に出てみるだけで、自分が何者であるかを思い出し、同時に意識を広げていくことができます。さあ、外に出て、遊びましょう。




