メンタルヘルス時代と脳教育

メンタルヘルスは、単に精神疾患がないということではありません。
世界保健機関(WHO)によると、メンタルヘルスとは、
人が生活の通常のストレスに対処でき、生産的に実り多く働くことができ、
自分のコミュニティに貢献できて、自分自身の潜在能力を実現する良好な状態をいいます。

メンタルヘルスは脳の問題です。人の価値は脳にある情報の質と量によって決まります。
脳に悪い情報が多く、脳が常に否定的な情報を作り出せば、人間性は失われます。
現代社会の最も深刻なメンタルヘルスの問題は、うつ病です。
世界保健機関は、2030年にはうつ病がエイズに次いで世界2大疾病になると予想しました。
先進国であるほど、メンタルヘルスの問題は深刻です。

人は誰でも過度の欲、憂い、心配によって、ひどいストレスに苦しんで憂うつになると、
生きる楽しみを失うようになります。
自分を信頼も尊重もせず、現実を悲観して絶望してしまえば、その問題は誰も解決できません。
このように、メンタルヘルスは幸せと直結しています。
幸せになるには、自分を尊重する心と良心をまず回復しなければなりません。

すでに脳科学研究で明らかになったように、人間の幸せは脳のホルモンに左右されます。
脳をどう活用するのかによって幸不幸が決まり、メンタルヘルスの問題を解決することができます。
21世紀の脳は、もはや脳科学者や医学者の占有物ではなく、
脳活用は脳をもつ人であれば誰でも知っておくべき常識となりました。

脳をどう活用するのでしょうか?
脳でどのように健康、幸せ、平和を創造するのでしょうか?
その答えは「脳を取り戻せ!(Take back your brain!)」です。
自分の存在価値を分からず、富、権力、名誉、イデオロギーなど、
相対的な価値に陥って生きているのであれば、自分の脳を取り戻す必要があります。
周りの評価にストレスを受け、うつ病になった人がいるなら、
その評価に陥っている自分の脳を取り戻し、自尊心を取り戻すのが最も必要なことです。

メンタルヘルスを回復した人は、正直、誠実、責任感のある人です。
済州島には、耽羅国の頃から伝わる「三無精神」があります。
三無とは、泥棒、乞食、門がないという意味です。
泥棒がないのは正直なのであり、乞食がないのは誠実だということ、
門がないのは、それほど責任感が強いのです。
正直、誠実、責任感は、自分を尊重するという意味であり、良心が生きているという表現です。
耽羅国の三無精神にメンタルヘルス社会の原形を見ることができます。

また、人には年齢に応じたメンタルヘルスの目標があります。
少年期までのメンタルヘルスは、礼儀正しい人になることで、
青年期・壮年期のメンタルヘルスは夢とビジョンと情熱を持って、
正直、誠実、責任感のある良い人になることであり、老年期のメンタルヘルスは、
若いころの成功よりも人生の完成を求めて周りに役立つようになることです。

メンタルヘルス回復のためには、自分の脳をうまく活用する必要があります。
脳をうまく活用する教育が脳教育です。
脳活用のためのBOS(Brain Operating System)の3大法則があります。
1つ目、常に目覚めていてください。
2つ目、選択すれば成し遂げられます。良い志、良い夢、良いビジョンを選択する必要があります。
3つ目、グッドニュースがグッドブレインを作ります。
良い情報、肯定的な情報を作れば、良い脳を持つ良い人になります。

メンタルヘルスを回復する過程は、脳教育5段階-脳の感覚を目覚めさせる、
脳の柔軟化、脳の浄化、脳統合、脳の主になる-の過程を経ます。
まず、脳の感覚を目覚めさせて柔軟になれば、脳の中の否定的な情報を浄化することができます。
否定的な情報の中でも特に自分に対する否定的な情報を浄化するのが大事です。
脳から否定的な情報が浄化されれば、脳がゼロ点を回復し、ゼロ状態になります。

脳がバランスを回復したゼロ状態になるとき、新たな夢とビジョンで脳を統合できます。
その次に脳の真の主人として、人生の主人として生きていけます。
個人的な次元では脳教育を通してメンタルヘルスを回復できますが、
メンタルヘルスを持続させ、増進させる社会的な次元での努力とシステム作りも重要です。

21世紀の人類は精神的に苦しんでいます。
人類史上最高の物質的な豊かさを築きましたが、良心のない地球の片隅では、
毎日1万8千人の子供たちが飢えて死んでいます。
人類とあらゆる生命を生んだ母なる地球は、深刻なほどに破壊され、
人類は地球温暖化がもたらした自然災害で恐怖に震えています。
この憂うつで深刻な現実をどう克服するのでしょうか?

自分の脳を取り戻した人類、良心を取り戻した人類が出現すべきです。
私たちは、先祖から受け継いだ弘益精神を使うべき時がきたのです。
絶望する青少年のために、挫折した大卒失業者のために、貧困と病魔に苦しむ高齢者のために、
そして崩壊した家庭と学校を立て直すために、良心の灯火を明るくする必要があります。

脳がある人は誰でも自分で健康、幸せ、平和を創造できます。
脳教育を通じて悟りが大衆化し、良心が常識になる時代が来るべきです。
すべての人、多くの生命が幸せであれと願う弘益人間の時代、
人間と地球を愛する地球市民の時代を開く必要があります。
このような時代を精神文明時代と呼びます。

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