ニューノーマル時代、教育の韓流と大学の役割

先日の学位授与式でBTSのジョングクに授与した「学長賞」受賞の感想動画が世界中で話題になりました。忙しい中でも動画を送ってくれた返事として、「名誉と成功に閉じ込められて魂の自由を失わず、胸を張って自分の無限の価値を見つけ、弘益の価値を世界に広く知らせよ」という内容を入れて手紙を送りました。

筆者が学長を務めるグローバルサイバー大学は、海外で「BTS University」と呼ばれています。BTSのメンバー7人中6人は、キャンパスのない時間と空間の制約なしにオンラインで授業とテストを受けて学位を取得できる大学に在籍しました。韓国発のインターネット大学です。

コロナがもたらした教育の変化の核心は遠隔学習の日常化で、韓国は20年の歴史をもつ遠隔教育大国です。世界でオンライン知識共有という巨大なグローバル教育トレンド「MOOC(ムーク)」が到来しましたが、学位を授与する国はまだ多くはありません。

2001年に生涯教育機関として出発し、2008年に教育部の正式高等教育機関に認定された韓国のサイバー大学は、発足初期は9校、在学生6,000名から始まり、現在は21校、在学生約13万人に増えました。コロナでリアル授業とオンライン授業の境界が崩れた今、サイバー大学は韓国の教育の特徴であると同時に強みとなっています。

今、韓国は他と同じことをするのではなく、新しい道を切り開いていかなければなりません。既存の枠にとどまれば、地球に感性の衝撃を与えているBTSが韓国で誕生することもなかったであろうし、メンバーは大学に在学することも卒業証書を受けとることもなかったはずです。

創意性の開発は、与えられた問題を解くのではなく、自分で問題をつくることから始まります。人工知能と共存または競争する時代に大学が教えるべきことは、知識ではなく人間の価値を見いだし人間特有の能力を高める方向であるべきなのは明確です。

地球のコロナの危機は、人類に多くの気づきをもたらしました。コロナを前にしては、あらゆる嘘や欲望、物質がノックダウンし、直面している地球の問題への、今の国家システムや宗教による解決に限界があることも誰もが気づきました。

新型コロナによって見舞われた地球規模の危機の根本的な原因は、物質文明の普及と地球の生態系との衝突だということを私たちは知っています。こうした時代的な危機を前に、大学はどんな役割をし、韓国の教育はどのような道を歩むべきでしょうか。

大学設立の際に、韓国の一大学ではなく、地球と人類社会に貢献する真のグローバル大学になるというビジョンを選択しました。今、韓国は、20世紀の産業化と民主主義を唯一実現した国ではなく、21世紀の地球と人類社会にどう貢献するかという問いに国際社会の一員として答えるという使命感をもつべき国なのです。

さらには、ひとつの国家にとどまるのではなく、地球の未来を考える地球市民として脳をどう使うべきかを悩む必要があります。それが、グローバルサイバー大学の入学生全員に地球経営の科目を履修させ、脳教育を学術化した理由です。

韓流は21世紀の韓国の競争力であり教育の未来です。Kドラマが世界の視聴者と出会い、多くの人が韓国語の歌を聴きながら歌い、韓国の文化にますます関心が高まっている今、弘益スピリットが文化と出会えばどのような価値が高まり、脳を通してどのような変化をつくりだすでしょうか。

大学が人類社会の問題に背を向けた知識の追求にとどまれば、地球は共滅の道を進むしかありません。時代の変化に、世界の大学が目覚める必要があります。大学が目覚めるべきで、その変化はグローバルサイバー大学のある韓国から始まるという希望を抱き、この道を歩んでいきます。

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