122 息1

己の呼吸 その息は もはや己のものではない
それは宇宙の息であり 生命の息だ

己が呼吸は 天地心(チョンジマウン)の広大な息づかいと一体
天地のエネルギーの大いなる息づかいとともにうねりを打つ
この草木や雲 そして行き交う人びと
宇宙の万物が 我とともに呼吸し
わが呼吸にあわせ 舞い踊る

己はもはや 過去の己でなく
息を吸い込むとき 新たな存在として誕生し
息を吐き出すとき 病んで汚れた過去の己は死に絶える
かように人は 呼吸とともに 瞬間ごと 死んでは生まれ変わる

ゆえに 私は死を恐れない
死は 新たな誕生への 輝かしい約束
吐き出す息ごと 死なないならば
吸い込む息ごと 生まれ変われない
私は知る

一指 李承憲(イ・スンホン)

*息を通して感じる生命と、息を通して出会った悟りを
表現した詩『息』を2回に分けてお送りします。

 

 

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